「おいしさ」のつくり方、伝え方
2009年に新橋に「俺のイタリアン」を出店して、2014年現在、イタリアンの他にフレンチ、割烹、果てはおでん、蕎麦まで都心部中心に全8業種24店舗の店があり、一部テーブル席はあるものの基本は立ち食いスタイルです。
にもかかわらず、各店とも行列が絶えません。
ビジネスコンセプトはお客様の回転数を高めて低価格で料理を提供するというもので、これまででも同じビジネスモデルとして以前から「牛丼の吉野家」などがありました。
消費者が飲食店に求める価値は大きくは以下の三つではないかと思います。
1. おいしさ
2. コストパフォーマンス
3. 食事の場の雰囲気、サービス
この三つの価値を同時に提供することは非常に難しいことです。
吉野家は1. おいしさ 2. コストパフォーマンスに、時間節約の価値を加え、3. 食事の場の雰囲気、サービスを除くことで「うまい、安い、早い」という価値提供で差別化を図り成功してきました。
今回の「俺の●●」も1. おいしさ 2. コストパフォーマンスで、どちらもコア・コンセプトは「おいしさ」です。
二社の違いにお気づきでしょうか?
「俺の●●」は「おいしさ」という言葉を使わずに高級食材をふんだんに使って、それを調理する料理人に業界の一流と称される人を集めていると言う情報を発信しています。
つまり「おいしさ」と言う言葉を使わずに、そのエビデンス(=根拠)を訴求することでお客様に「おいしさ」を伝えています。
インターネットが発達した情報社会の今、単に「おいしい」と言うだけでなく、「おいしさ」の根拠の情報の方が口コミ、ネットコミになりやすく情報が拡散します。
今回は飲食業の話ですが、食品の新製品・新商品開発においても「おいしさ」をコアコンセプトにして、どのような素材で、どのようにつくってその「おいしさ」を生み出したのかと言うエビデンスをターゲットにきちんと伝えていくことが大事なのではないかと思います。