マーケティングの目的は「顧客づくり」
「マーケティング部門に異動になったのですが、何をしたらいいのかわかりません」という内容の問い合わせがここ何件かありました。
新製品開発、新製品・新商品開発に始まり、情報発信のための広告宣伝、ネット活用、販売促進などなどマーケティングには多くのプロセスがありますが、「全てのプロセスに共通した目的は『顧客をつくること』で、その目的のために自分は何をしたらいいのか考えることが大切です」と答えています。
顧客とは「自社の商品を気にかけてくれるお客様」、言い換えれば「自社商品のファン」、メーカー視点ちょっと不遜な言い方ですがよく使う「リピータ」です。
以前お手伝いしたある農産物加工メーカーで実際に会った話です。
そのメーカーはいくつかのショッピングモールで商品を販売しているのですが、新しく使うことになったショッピングモールから来た注文にお断りのメールを出していました。
その理由は単に「受注処理がまだよくわからない」というもので「大した売上げではないから」と言うのです。
どうして大した売上げではないのでしょう。
そのお客様は二度とそのメーカーの商品を買うことは無いでしょうし、逆に注文が出来てその商品が気に入れば毎月購入してくれるかもしれないのです。
仮に5,000円の商品であれば、5,000円の売り上げを失ったのではなく年間60,000円の売り上げを失っているのです。
ネットショップだけでなく実店舗においても同じです。
特に食品においては購入頻度が圧倒的に高いのですから「顧客をつくる」ということが業績向上にはとても大事なことになります。
お客様に価値のある製品をつくり、その価値をさらに高める商品化を行い、その価値をお客様に伝え、身近な売り場に陳列し、気に入ってもらって顧客になってもらう、利益は自ずとついてくる、これがマーケティング、特に食品マーケティングの基本的な考え方だと思います。
補足で一言
自社のファンになってもらうためにはマーケティング部門だけでなく、会社全体のお客様に接する態度が大事になってきます。
経営者、社員の皆さんの態度、対応の良さに好意をもつことがひいては商品への好意を醸成しファン(顧客)になってくれることでしょう。
マーケティングは全社活動です。